チャンシルさんには福が多いねのネタバレ感想と解説|レスリー・チャンは誰?

チャンシルさんには福が多いね

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」の感想とネタバレ解説記事を書こうと思います。



チャンシルさんには福が多いねの基本情報

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」のキャストや監督のプロフィールは別記事にまとめています。

チャンシルさんには福が多いねの原題とキャスト|監督は小津安二郎が好き
女優のカン・マルグムさんについて調べてたら、韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」がものすごく気になって観てしまいまし...



チャンシルさんには福が多いねはキム・チョヒ監督の実話?(ネタバレ解説)

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」を手がけたキム・チョヒ監督も、チャンシルさん同様釜山出身で、ホン・サンス監督という一人の監督のもとで長年プロデューサーをやっていたという経歴をお持ちの女性です。

なので、チャンシルさんのモデルはキム・チョヒ監督自身ということになりますが、ホン・サンス監督が亡くなったというわけではありません。

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」はチャンシルさんが自分に向き合って本当にやりたいことに気づくことがテーマなので、すぐに本題に入れるように「監督の死」というエピソードを導入しただけのようです。

でもそれ以外の、例えば小津安二郎ファンだったり、香港映画ではレスリー・チャンが好きという設定や、

日常に溢れた大切なことを大事にしたいというスタンスはキム・チョヒ監督自身の考え方が色濃く反映されたものなようです。



キム・チョヒ監督の父が声の出演(ネタバレ解説)

チャンシルさんの父親が、手紙の朗読という形で声で登場するのですが、その声を担当したのはなんとキム・チョヒ監督のお父様なのだそうです。

味のある声で良いですよね〜。そして最後の一文には爆笑してしまいました。

でも、キム・チョヒ監督のお父様がホン・サンス監督の作品を批判したことなどは一度もないそうです。



レスリー・チャン役は誰?(ネタバレ解説)

レスリー・チャンの正体:ポスターに伏線

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」には自称レスリー・チャンの男が登場し、物語のキーマンとなっています。

映画を観る前に「チャンシルさんには福が多いね」のポスターを観て

出典:Challan Film Company

なんで手前のこの人にだけピントが合ってないんだろう??と不思議でした。

 




 

寒いのに白のランニングに白の短パン姿で登場し、変質者なのかな?と思っていたのですが、

なんと、レスリー・チャンの正体は幽霊!!

しかも、チャンシルさんにしか見えない存在です。だからポスターではぼやーんと映ってるのか!とまさかの伏線にひと笑いさせてもらいました。



レスリー・チャンを登場させた理由

キム・チョヒ監督は映画好きになったきっかけがチャンシルさん同様香港映画だったそうです。

故人であるレスリー・チャンを登場させることでファンタジー感を出したくて、俳優のキム・ヨンミンさんに映画「欲望の翼」のレスリー・チャンの格好をさせて登場させることを思い付いたのだとか。

ランニングと短パンの男がレスリー・チャンだと名乗るのは「自称」ではなく本物のレスリー・チャンだという意味だったようです。

このレスリー・チャンの幽霊というファンタジーな演出によって、自分との向き合いという重たいテーマが楽しく観れるようになっているのはすごいです。



レスリー・チャンを演じるキム・ヨンミンとは

出典:Challan Film Company

キャストプロフィール

キム・ヨンミン
김영민

生年月日:1971年11月5日
身長、血液型:172cm

出演作:「愛の不時着」「夫婦の世界」「軍検事ドーベルマン(原題)

 

キム・ヨンミンさんは2019年の大ヒットドラマ「愛の不時着」で“耳野郎”ことチョン・マンボクを演じ人気に火がついた俳優さんです。
https://kankokuentame.com/crashlandingonyou-5876
愛の不時着」では真面目な性格で自分のやってしまった任務に罪悪感を抱き続ける男を演じていたのに対し、「夫婦の世界」は妻を大事にしないクズ男を演じるなど作品ごとに違う表情を見せるすごいお方だなあと思います。
レスリー・チャンのキャラクターがとにかく愛おしい存在になったのは、キム・ヨンミンさんの演技力の賜物だと思います。



チャンシルさんには福が多いねのネタバレ感想

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」は淡々と進むようで、実は伏線がいくつも用意された凝った映画だったなあと思いました。

また、坂道を登るチャンシルさんの映像が多用され、そこでチャンシルさんの感情を表しているのがすごく素敵だったんです。

出典:Challan Film Company

ある時は軽い足取りで登ったかと思いきや、落ち込んだ時のしんどそうに登る姿が対照的で、気づけばチャンシルさんに感情移入してしまう感じです。

キム・チョヒ監督の坂道演出、素晴らしいです。



チャンシルさんには福が多いねの伏線①

韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」はまた、現実的に見えて実は哲学的というか、かなりスピリチュアルな内容だったとも思います。

例えば、チャンシルさんが引っ越した際、大家さんに隣の部屋に入らないようきつく叱られます。

でも、読み書きを教えたことでチャンシルさんの人となりを分かってもらえると、隣の部屋へ自由に出入りすることを許されるのですが、そこにいたのがレスリー・チャンの幽霊でした。

大家さんとチャンシルさんがもやしのひげをとりながらする会話の中に「今日やりたいことだけ考え、それを一生懸命やる」というやりとりがあるのですが、「今ここを生きよ」というメッセージがそこに込められていて、大家さんって悟った人なのかな?と思わせる内容でしたよね。

物語の最後に、満月に向かってお祈りしている大家さんを観た時に、実は大家さんは隣の部屋に「なにか」がいることを直感的に知っていて、その存在を彼女なりに守っていたのではないかなと思ってしまったのですが、私の考えすぎでしょうか。

レスリー・チャンはチャンシルさんのことをよく知っている人物で、暖かく大きな愛情を持ってチャンシルさんを見守っています。(他にもチャンシルさんのような存在がいるようでしたが。)

チャンシルさんはレスリー・チャンとの対話を通して、自分の本当にやりたいことに気づけるのですが、レスリー・チャンはまるでチャンシルさん自身のようです。

といってもチャンシルさんよりは遥かに高いところからチャンシルさんを見守っている、高次の存在。

だから、「宇宙」なんて表現が出てくるのかなと。




まさに精神世界の世界観です。

それにしても、チャンシルさんが映画の本などを捨てようとした時にレスリー・チャンが体育座りで寂しそうにしてるのが、ツボすぎました!

こんな風に、優しく諭してくれる存在っていいですね。

出典:Challan Film Company

私もこういう形で自己対話をしてみたい!!

あ、そうそう、上の写真のシーンに出てくる「ジプシーのとき」というのは1980年台の映画なようです。

復刻版のDVDが廃盤になって、すごい値段で売られてます…これも観てみたいなあ。



チャンシルさんには福が多いねの伏線②

他に気づいた伏線は女優さんにありました。

チャンシルさんに家政婦の仕事を与えることでサポートしたり、何かと気配りしてくれる女優さんの名前はソフィー。自分が悩みすぎるのは名前のせいだと言ってましたが、たぶんそれは「ソフィーの世界」を指しているのだと思われ、

自分とは何か、自分は何をしたいのか

ただ今置かれたちっぽけな状況だけにとらわれずに考えてみようよというメッセージが女優さんの名前にまで込められていたとは!

哲学の話とか精神世界の話ってどこか高尚でわかりづらいことが多いですが、韓国映画「チャンシルさんには福が多いね」にはそれらのエッセンスがあまりにも普通に自然に優しく描かれているので、内容がすんなり入ってくるのが素晴らしい。

コロナの影響で世界レベルで人類が自分との向き合いを強いられたタイミングで誕生したこの映画は、まさに宇宙に創らされた映画のように思いました。

すごく素敵な映画だったな。

私はAmazon Prime Videoでレンタルして観たのですが、
折に触れて観返したいと思い、DVDをポチっちゃいました。

随所に笑えるシーンがあるのに、じわじわ沁みるこの映画。ほんまにおすすめ!



チャンシルさんには福が多いねのネタバレ解説参考記事

この記事は下記記事の監督インタビューも参考に書かせてもらいました。

是非映画鑑賞後に呼んでいただけたらと思います。

vol.58 映画『チャンシルさんには福が多いね』キム・チョヒ監督インタビュー|伊藤さとりのシネマの世界|シネマクエスト
年間の映画鑑賞数500本以上。邦画・洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回担当する映画MC、コメンテーター、伊藤さとりのコラム。
『チャンシルさんには福が多いね』キム・チョヒ監督。小津安二郎を尊敬する、韓国映画界の新鋭にインタビュー | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報 | INTERVIEW
『はちどり』(2018)や『82年生まれ、キム・ジヨン』(2019)などで昨今、女性監督の活躍が目立つ韓国映画界から



最後に

私の独特な解釈で感想を書いてしまったかもしれませんがいかがでしたでしょうか?

楽しんでいただけたなら嬉しいです。

最後までお読みくださりありがとうございました!




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