Netflixで2021年11月19日から配信が開始されたオリジナル韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」の原作漫画との違いを紹介するほか、考察記事を書いていきます。
- 地獄が呼んでいるのネタバレ考察と原作漫画との違い(韓国ドラマNetflix)
- 地獄が呼んでいるは二部作(ネタバレ考察)
- 地獄が呼んでいるの原作漫画・ウェブトゥーン(ネタバレ考察)
- 地獄が呼んでいるの原作漫画「地獄」との違い(ネタバレ考察)
- 新真理会とは(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- 地獄の使者はなぜ3体?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- 教祖チョン・ジンス議長とは(地獄が呼んでいるネタバレ考察)
- 韓国初の試演はいつ?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- 矢じりとは?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- チョン・ジンス議長の計画(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- チョン・ジンス議長の死を知っているのは誰?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
- 地獄が呼んでいるのネタバレ考察(新しい世界になった後)
- 地獄が呼んでいるの舞台裏:ヨン・サンホ監督のインタビュー
- 地獄が呼んでいる関連記事まとめ
地獄が呼んでいるのネタバレ考察と原作漫画との違い(韓国ドラマNetflix)
ここからはネタバレしまくりで書いていきますので、まずはドラマを視聴することをオススメします!
ネタバレなしで登場人物などを紹介した記事はこちらです。
地獄が呼んでいるは二部作(ネタバレ考察)
Netflix韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」は2022年11月から始まる前編と、その4年後の2026年が描かれた後編に別れた二部作であることが視聴していたら分かりました。
主演のユ・アインはなんと前半の第3話までしか出てこず、ユ・アインさん目当てで視聴していた方はかなりガッカリされてたようです。
「地獄が呼んでいる」はNetflixでの公開前にトロント映画祭など国際映画祭に招待され、上映されたドラマなのですが、全6話なのに3話までしか上映しなかったそうなんです。
途中までしか観れなかった観客はそれこそ「地獄」だったろうなあと思ってましたが、前半だけでも一応終着する内容ではあるので、問題はなかったのかなと。
なので、6話一気に観るのは難しいという方は3話づつの視聴をオススメします。
地獄が呼んでいるの原作漫画・ウェブトゥーン(ネタバレ考察)
Netflix韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」には原作漫画があります。
ヨン・サンホ監督が物語の執筆をし、脚本を担当しているチェ・ギュソク(監督の友人でもある)が作画を担当したウェブトゥーン(オンライン上の漫画という意味の韓国で作られた言葉)「地獄」が原作なんです。
日本でも、原作漫画が配信の前日に発売になりました。
原作漫画「地獄」の1巻にドラマの第1話〜第3話の前半が。そして2巻に第4話〜第6話の後半が描かれています。
原作漫画「地獄」はLINEマンガでも読めるようです。
地獄が呼んでいるの原作漫画「地獄」との違い(ネタバレ考察)
ドラマが面白かったので、原作漫画「地獄」を実際に読んでみたのですが、韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」はほぼ原作通りに制作されていることが分かりました。
原作漫画を作った人たちが実写化してるので、再現度も高いです。
原作漫画では刑事の娘は息子の設定
大きな違いは、ドラマ「地獄が呼んでいる」でチン・ギョンフン刑事(ヤン・イクチュン)の子供は娘ヒジョン(イ・レ)となっていますが、原作では息子ソンホとなっているところです。
ドラマを観た時、娘ヒジョンが焼却炉で見せた表情が恐ろしいとは思ったものの、彼女がどんな感情なのか正直よく分からなかったんですよ。
原作漫画では6年前に母親を殺害された後の彼女(原作では息子)の気持ちの変遷が詳細に描かれていたので、それを読んで初めてヒジョンの表情の意味が理解できました。
ヒジョンの気持ちについては後ほど紹介します。
息子から娘へ変更した理由(地獄が呼んでいるの原作漫画との違い)
では、なぜ原作では息子だったチン刑事のキャラクターを娘に変更したのでしょうか?
それは、ヨン・サンホ監督が子役女優イ・レさんを「地獄が呼んでいる」にキャスティングしたかったからというのが最大の理由です。
このキャラクターにとって性別は重要な要素ではなかったため、イ・レさんをキャスティングするためだけに娘に変更したようです。
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娘役のイ・レはどんな女優?
イ・レさんはヨン・サンホ監督の映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」に出演していた子役女優さんです。
イ・レさんは主人公のジョンソク(カン・ドンウォン)を助け、ゾンビだらけの韓国から脱出を図る家族の長女ジュニ役で登場。中学生とは思えないカーアクションの演技を見事にこなし観客を魅了した女優さんです。
ヒジョンが殺人を犯した理由(地獄が呼んでいる原作漫画から解説)
ヒジョンは事件当時小学生でしたが、幼かった自分のせいで母親が殺害され、しかも犯人がきちんと罰せられなかったことに納得がいかず、犯人に対して強い恨みを抱えるようになりました。ドラマにはありませんでしたが、法で裁けないのであれば、大人になったら自分の手で犯人を殺してやるとはっきりと発言していたことが原作漫画には描かれています。
そして、その積年の恨みを解消する方法を教えてくれる教祖に出会って…
というのがヒジョンの設定で、とても難しい役どころなんです。
「新感染半島 ファイナル・ステージ」の予告編を観るだけでも、ヨン・サンホ監督がイ・レさんをドラマ「地獄が呼んでいる」に絶対にキャスティングしたかったという気持ちがわかるのではないかと思います。
ヒジョンが目的を達成した時の顔や、帰宅した父を抱きしめる時の表情は絶妙でしたよね。子役女優イ・レはこの難しい役の設定を消化して表現できる逸材だとヨン・サンホ監督は考え、安心して彼女にヒジョン役を託すことができたのだと思います。
新真理会とは(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
ドラマでは「天使」と呼ばれる存在に地獄行きを宣告されたものは、指定された日時に現れる3体の「地獄の使者」により激しい暴行を受けた後何かの光により焼かれてしまうという超自然現象が起きる世界が舞台になっています。
진수 선배 불 더 때라고 하는 거, 정말 우습구 유치해 (。•́︿•̀。)#지옥 #Hellbound #유아인 #YooAhIn #넷플릭스 #Netflix pic.twitter.com/IoyNx9Z3KQ
— Netflix Korea|넷플릭스 코리아 (@NetflixKR) November 24, 2021
教祖チョン・ジョンス議長(ユ・アイン)が率いる宗教団体「新真理会」は2012年から活動をしている団体で、その超自然現象は罪を犯した人間に対して神が行う「試演」だとし、罪を犯すことをやめ、良い世界を作っていこうと説くことで徐々に力をつけてきていました。
「恐怖」がなければ人は悪行をやめないから、神は「試演」を行うと説き、世界で行われた「試演」の映像をネット上に流しながら布教活動をしています。動画で学ぶ若者世代の間に広がり影響力を与えるようになりました。
地獄の使者はなぜ3体?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
死者が強烈な光で人を殺せるのなら、暴行したり刺したりせずにさっさと光で焼いたらいいのに!と思った方は多いと思います。
でもこれにはヨン・サンホ監督の意図がありまして、「集団リンチ」の残虐さを表現するためにあえてそうしてるのだそうです。
そして「集団」を表す最小単位は3人だという判断から、地獄の使者は3体登場させると決めたようです。
このドラマを観ていて、一番怖いのは人間だなという感想を私は持ちました。間違った考え方でも集団の共通の考えになればそれは「正義」となってしまいます。その恐ろしさを視聴者に訴えるためには地獄の死者の残虐さを描写することは必要だと考える意図が伝わってきて、「地獄が呼んでいる」は他のバイオレンスムービーとは一線を画すドラマだなあと思いました。
教祖チョン・ジンス議長とは(地獄が呼んでいるネタバレ考察)
最終話で明かされるのですが、実は教祖のチョン・ジンス議長は高校生だった20年前に地獄行きを宣告されていました。
チョン・ジンス議長は親に捨てられ養護施設で育った少年だったのですが、いい子にしていたら母親が迎えに来てくれると信じていたため、鉛筆一本も盗んだことがない優等生でした。
そんな自分に起きたことの意味がわからず、成人して養護施設を出た後はその意味を探す旅に出ます。
チョン・ジンス議長は、世界中を旅して「試演」の情報を集めて行きました。その結果、罪人だけでなく、誰にでも「試演」が起こりうることに気づきます。徳を積んでいる善良な人間でさえ「試演」を受けていました。(原作漫画ではチベットの高僧でさえも「試演」を受けていたことが描かれています。)
つまりチョン・ジンス議長は自分の死には何の意味もないと知ってしまったのです。
20年後に死亡すると宣告され、そこに何も意味がないと分かった時、彼は自分の存在に何かしらの意味を作ってこの世を去りたいと考えたのかもしれません。そこで超自然現象を使って宗教団体の礎を作り、世界を混乱させるための緻密な計画を立てていったのではないかと思います。
韓国初の試演はいつ?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
チュ・ミョンフンという男が2022年11月10日に首都ソウルのど真ん中で「試演」が行われました。
警察では前代未聞の殺人事件として捜査を始めるため、おそらくこれが韓国初の試演だと思われます。
焼かれた遺体はこの世のものではない(これまでに存在が確認されていない)物質に変化していることも明かされました。
矢じりとは?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
「新真理会」には狂信的な信者の集団「矢じり」がいます。
「矢じり」は「新真理会」の教えにのっとり、インターネットに前科者の情報を流したり、その前科者に対して軽犯罪も厭わずに粛正をおこなったりする厄介な存在です。
粛清を行った後、現場に大きな矢印を描いて、自分達は正義を行ったと堂々と主張してしまう人たちです。
そしてその「矢じり」を先導しているのが骸骨を頭に乗せ奇抜なメイクをした男です。信者に向けて「틴톡TV(ティントクテレビ)」でライブ配信しています。
彼の配信は「試演」が韓国で行われたことでさらに勢いをつけ、視聴者(信者)も多数。広告を載せて、そこから収入を得ている模様。
この男が「新真理会」の教えに反することを発言した小説家キム・グァンジンを避難すると、矢じりのメンバーである未成年者がキム・グァンジンを拉致して暴行しその様子をネットに流すという蛮行に出ます。これは立派な犯罪なのですが、自分達は良い世界を作るために必要なことをしていると思っているので「矢じり」は本当にたちが悪い。
さらに最悪なことは、警察関係者にも「矢じり」のメンバーがいて、「試演」に関わる人たちの個人情報がすぐにネット上に晒され、人が罪を犯してなくても罪人として扱われる火種が随時投入されるのが当たり前になっていることです。
地獄行きを宣告されると自分の命が奪われるだけでなく、残された家族も罪人のような扱いを受ける世の中が徐々に作られていきました。
矢じりの原作漫画との違い
実写版では矢じりの先導者は骸骨のようなものを頭に載せ、ネオンカラーのウィッグを被っていますが、
原作漫画ではインディアンが頭にかぶっている羽がたくさんついた飾りを身につけています。
↑こんな感じ。
変更した意図はわかりませんが、世界同時配信されるため、インディアンを連想させる変装は避けたのかもしれません。
それにしても、視聴者をイラつかせる演技は絶妙でしたね!
チョン・ジンス議長の計画(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
「試演」が韓国で行われたことで勢いをつけた「新真理会」。
さらに、地獄行きを宣告されたシングルマザーが、宣告された時の動画を持参して新真理会を訪ねてきました。
これは、「新真理会」にとって自分達の存在を世界中に知らしめるまたとない機会です。
シングルマザーに三億円支払う代わりに「試演」の様子を公開することを提案します。この様子はテレビ局を通して全国放送された他、インターネットで世界配信され、信者を爆発的に増やすことに成功します。
シングルマザー、パク・ジョンジャは女手一つで2人を育てるために真面目に生きている女性でしたが、子供たちの父親がそれぞれ違うことがネットにさらされ、彼女があたかも「罪人」であるように印象を操作されました。
チョン・ジンス議長はさらに、チン・ギョンフン刑事の娘で自分の母親を殺した犯人に強い恨みを持つヒジョンを巧みに操り、彼女の手でその犯人を焼死させます。本当の意味での「罪人」が「試演」により死んだと偽装したのです。
これにより『「罪人」が「試演」により死ぬ説』が盤石になりました。
ヒジョンの父親は新真理会を捜査する担当刑事で、チョン・ジンス議長にとってはやっかいな存在でしたが、彼の娘に罪を犯させることで真実を暴露されることを阻止することに成功。
そして、世界中から注目を浴びた新真理会をさらに大きく発展させることができそうな、欲深い男に引き継ぎ、彼は自分の存在に意味を作り死ぬ準備が完了させました。
チョン・ジンス議長の死を知っているのは誰?(地獄が呼んでいるのネタバレ考察)
チョン・ジンス議長が「試演」により死んだことを知っているのは、新議長のキム・ジョンチョルと弁護士ミン・ヘジンそしてチン・ギョンフン刑事の3人のみ。
キム・ジョンチョルは自分の地位を手放さないために口外することは絶対にないでしょう。
ミン・ヘジン弁護士はキム・ジョンチョルの指示で矢じりが存在を消しました。
そしてチン・ギョンフン刑事は娘を守るために死ぬまで口外しないはず。
チョン・ジンス議長は自分の計画を完璧に遂行したというわけです。
地獄が呼んでいるのネタバレ考察(新しい世界になった後)
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
後半については後ほど追記していきますので、また遊びに来ていただけたら嬉しいです。
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以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!